北欧 考える旅 薗部英夫 全障研出版

北欧 考える旅 薗部英夫 全障研出版
良著です。
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特別クラスの教員ほど研修を受けている教員はいないそうだ

「住まい」とは単純に「寝るための場所」ではなく、地域社会とつながりながら、人生をゆたかに生きていくための総合的な環境なのだと思った。
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脱施設と言われ、デンマークでは誰も施設と呼ばなくなったそうです。
この温かみのあるグループホームは、TEDであったこれでしょうか。
グレース・キム: コ・ハウジングでもっと幸せに もっと長生きに | TED Talk

生き方を考えた時、住環境へ思いを馳せないわけにはいきません。
この本は主に障害のある方、高齢の方の北欧と日本での暮らしの対比を書いていますが、年齢や障害など問わずあらゆる人にとって住環境は重要です。
この住環境が、日本はどれだけ劣悪か、言葉にならないくらいです。
公共の住宅の量も足りていないし、
地価高騰が続くことにより大都市圏に越してきて働くと殆どを住宅の賃料ないしローンに取られてしまう上、
障害の有無にかかわらず地域のコミュニティというものは失われています。
人間らしい生活とは何かと問わざるをえません。

地震等により倒壊した、または倒壊の危険のある地域住民は仮設住宅にて住まいを確保しますが、これもどうなのか?
仮設住宅は3年など期限があるコミュニティであるため精神的負担が高いのです。
そこは住まいであり、被災の心の傷を癒やしあった仲間がいる、もっというと高齢だったり心に傷を負った上で築いた関係性がある自らの所属する大切なコミュニティです。
特に高齢者には仮設住宅を出たくないという意思が出ても無理はありません。
一般に仮設住宅撤去時には引越し先が皆違い、コミュニティがばらばらになります。
コミュニティが失われる怖さとはなにか?
呼び寄せ高齢者問題が出てきたことで、つまりその人の生き方に強烈に影響することがわかります。

寒い気候に結露の掃除をしながら、「住宅の設計の悪さをカバーするのにエアコンの消費電力は高すぎる」という誰かの言葉を思い浮かべます。うろ覚え。確かフランス。
近所でも児童館などの公共施設は単層ガラスを大きく並べてエアコンガンガンかけているのですが、あれは東電への利益供与建築コスト低下のためでしょうが持続可能な社会なのか考えます。
電力消費量もけっこうギリギリなので、目先の建築コストか長期的なコストの低下なのか議論する余地はありそうです。
低い断熱性なぜ放置、世界に遅れる「窓」後進国ニッポン :日本経済新聞